出生前診断の問題点とは

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出生前診断の問題点とは

■出生前診断とは

出生前診断とはお腹の中の胎児が先天性の病気や奇形、あるいは染色体異常を持っていないかを調べる検査のことで、一般の妊婦健診で胎児に何らかの異常が疑われる場合で本人やその配偶者が希望する場合に、追加して更に詳しく検査します。2013年に「新型出生前診断(NIPT)」が認可されましたが、それ以前は「超音波スクリーニング検査」「母体血清マーカーテスト」「羊水検査」「絨毛検査」の4種類で行われていました。超音波スクリーニング検査や母体血清マーカーテストは胎児の異常の有無を更に調べるための前段階の検査で、これが陽性となった場合に、更に高度で詳しく臓器の機能異常を見つけることのできる羊水検査や絨毛検査が行われます。

 

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羊水検査とはお腹に注射針を刺して羊水を採って調べる検査で、絨毛検査とは胎盤の絨毛組織を採取して調べる検査ですが、負担が大きく流産の確率があることから、早く検査したいなどの強い希望がない限り取られることは殆どありません。これに対し、新型出生前診断は母体の血液検査のみで染色体異常の有無を調べることができる検査で、そのため母体にも胎児にも悪影響の心配がありません。実際、羊水検査や絨毛検査による流産の危険性は約1%であるのに対し、新型出生前診断の危険性は約0.3%とされています。従って、現在では出生前診断としてこの新型出生前診断が選択されるようになりました。この診断は「母体血胎児染色体検査」や「無侵襲的出生前遺伝学的検査」などと呼ばれることもあります。

 

■出生前診断のメリット

出生前診断のメリットとしては、まず出産前に心の準備や実際的な準備をしておくことができるということが挙げられます。赤ちゃんがダウン症などを持って生まれてくる場合、生まれてからそれを知るよりも生まれる前から知っておけば精神的なショックは軽くて済みますし、その障害について予め十分調べておくことができます。障害を持った子供とその家族への社会的なサポート体制についても調べておくことができるでしょう。勿論検査の結果が陰性であれば安心して出産に臨めます。

 

■出生前診断の問題点

1.倫理的な問題

出生前診断最大の問題点として指摘されているのは、検査で陽性と診断された場合に産むこと自体を躊躇ってしまう、つまり中絶を選択する人が増えるということです。「結果がどうであれ産んで育てるつもりだ」という夫婦であれば、出生前診断は前述の通り心構えや準備期間を与える良いものとなりますが、実際には出生前診断で陽性と出た場合に人工妊娠中絶を踏み切ったケースは少なくないのです。ここに「命の選択」「命の間引き」といった出生前診断の問題点が浮かび上がってくるわけです。

 

出生前診断の目的が先天性の障害を持つ胎児かどうかを早期発見するためとはいえ、万が一出生前診断によってダウン症の子供として生まれてくる可能性が高いと検査結果が出てしまった場合、事実をそのまま受け止める覚悟が出来なかったとしたら、生まれてくるはずだった子供の将来がそこで全て決まってしまう。
昨今では、35歳以上の高齢出産が年間26万人で、重い染色体異常がある子供の発生率は35歳以上179分の1、40歳以上では63分の1の確率で発生していると言われています。
ダウン症などの先天異常の子供を出産したとしても養育して行く上で、経済的にも精神的にもかなり苦しいといった現実があります。
だからといって、生まれてくる前に中絶してよいのか・・・。
この賛否両論があることを理解して、新型出生前診断を受診するようにしましょう。

 

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2.診断が間違っている場合もある

出生前診断の中でも母体血マーカーテストの精度は低く、例えば陽性という結果が出た場合でも実際にダウン症児である確率は2%しかありません。そもそも母体血マーカーテストはスクリーニング検査であるため、陽性と出たなら確認のために結局流産のリスクを冒しながら羊水検査や絨毛検査を受ける必要が出てくるのです。これは母体血マーカーテストよりは精度の高いNIPTでも同じことで、年齢によっても精度の高さが変わると言われています。例えば40代でNIPTを受け陽性と診断された人のうち10%は正常、20〜30代では40%が正常という統計が出ています。つまりやはり詳しく知る為には羊水検査や絨毛検査に踏み切らなければならないのです。ただ、NIPTでダウン症が陰性と診断された場合の信頼性はかなり高く、実際にはダウン症児だったという可能性は1%以下となっています。更に言えば、羊水検査や絨毛検査でさえ100%正確な診断ができるわけではなく、0.1〜0.6%の確率で誤診である可能性もある点を覚えておかなければなりません。

 

3.全ての異常を見つけることはできない

新型出生前診断では、母体血中の胎児由来遺伝子のなかで13番・18番・21番染色体の濃度を分析することができます。つまり13トリソミーと18トリソミー、21トミソリー(ダウン症)の3つを確認できるわけですが、逆に言えばそれ以外は今のところ検査対象外です。母体血マーカーテストの場合はこれに二分脊椎症を、また精密超音波検査では心臓や内臓、脳神経、骨格の一部なども検査できますが、内分泌異常や代謝異常、脳性麻痺、視覚・聴覚など他の様々な異常については結局生まれてくるまで分からないということになってしまいます。

 

4.経済的な負担

出生前診断は基本的に保険の利かない自己負担診療です。比較的安価な母体血マーカーテストでも1万円以上しますし、羊水検査なら10万円ほど、新型出生前検査になると20万円ほどもかかってしまいます。そのうえ新型出生前診断の場合、日本医学会から認可を受けた総合病院や大学病院でしか受けられません。偶然近くにそのような病院があればともかく、そうでない場合はわざわざそこまで通院しなければならず、交通費や体力的な負担も馬鹿にならないものになってしまうでしょう。

 

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